
さくらゆ
@skryuh_
2025年8月9日

たゆたえども沈まず
原田マハ
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読んだ
読み始めて、ゴッホの研究をしている人や、その関連の人がゴッホ作品やゴッホの真相を追い求めるみたいな物語なのかなと思ったのですが、全く違って正にゴッホが生きた時代の、当人たちの物語でした。
美術史文学に初めて触れましたが、歴史文学があるのだから、美術のそれがあってもおかしくないんですよね。何も歴史は戦、抗争だけではないですもんね。
恐らく、研究で未だ解明されていない余白の部分を埋めるような、原田マハさんの解釈を込めた、ひとつのゴッホの物語。「あの作品たちをこういう言葉で表すのか…!」と作品を見る目も養える美しい文章でした。
《肖像画》のエピソードはテオと一緒に涙しますし、《星月夜》のエピソードは一文読む度に心震えて涙がぽろぽろ溢れます。
お互いを思い合ってるのに報われない生涯は本当にやり切れない。

