
きん
@paraboots
2025年8月10日

女王様の電話番
渡辺優
読み終わった
性について考えさせられる作品。
主人公の志川はとあることがきっかけで、勤め先の不動産会社を辞める。次の就職の合間に選んだバイト先が、女王様派遣の風俗店の電話番だった。風俗店ファムファタルに所属するキャストの一人美織に対して、好意を抱きある日食事に誘うことに。志川は女性、美織も女性だが、性という属性を超えて、好きという純粋な感情を抱く様になった志川。
若い頃、わたしも数は少ないがごく一般的に恋愛をした。でもその中で、特別性愛を意識したことはなかった。
体の相性も性の指向性も合う合わないは重要ではあったけれど、それが全てではなかった。
というのは実は、相手との同意によるものだし、それが価値観というものなのだろう。嫌だとしても我慢できる、そういうこともあったはずだ。
そんなことを本書を読むうちに考えさせられる。
そしてそれは結婚して夫婦になったあとだとしても変わりはないし、むしろ近くにいればいるほど価値が合わないと孤独感が募る。
人によって大丈夫の値は違うけど、大丈夫って一体何がどう大丈夫なのだろうか…そんなことを考えさせられた。





