
小池陽慈
@koike_yoji
2025年8月10日

自分で考える勇気
御子柴善之
かつて読んだ
御子柴善之の、一般に向けて書かれたカントの"入門"書も読んでみたが、やはり難しかった。
けれども、この、『自分で考える勇気』(岩波ジュニア新書)は、本当にわかりやすい。
僕は、一般書としてのカント入門が難しく書かれていたこと、そしてこの『自分で考える勇気』がとてもわかりやすく書かれていたこと、そのどちらにも、心の底から感動した。
この書き手は、然るべき言葉を、然るべき相手にきちんと届けようとしている。
想定される読者に、どこまでは届けられ、どこ以上は厳しいのか、とことんまで考え抜き、言葉を選んでいるのだろうと思う。
その"削ぎ落とし"には、研究者としての相当な葛藤もあったに違いない。
先日も、生徒たちに、この『自分で考える勇気』を勧めた。
高校生の間に、本書と出合えること、格闘できることは、きっと、計り知れないほどに幸せなことなのだ。


