

小池陽慈
@koike_yoji
執筆業・予備校講師・放送大学大学院博士後期課程1年。アイヌ語の学び直しを始めました。著書に『14歳からの文章術』『"深読み"の技法』(笠間書院)、『評論文読書案内』(晶文社)、『現代評論キーワード講義』『マンガ森の彷徨いかた』(三省堂)、『ぼっち現代文』(河出書房新社)、編著『つながる読書』(筑摩書房)、他、多数。
- 2025年8月26日ペリリュー ―外伝― 4 ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ (ヤングアニマルコミックス)平塚柾緒(太平洋戦争研究会),武田一義読み終わったこの『外伝』の4巻で、『ペリリュー』は完結ということらしい。 本巻を読み終えたとき、しばらく涙が止まらなかった。 このマンガは、必ず、世代を超えて手渡していかなければならない。 そのためには、読む者としての私もまた、読む者としての責任を果たしたい。 それは、本作を読み、思ったこと、考えたことを、言葉にするということだ。 だから、もう一度、1巻から読み返す。 真剣に、誠実に、読み返す。
- 2025年8月26日どこかの遠い友に木村哲也,船城稔美ひとまず、詩はすべて読み終えた。 一人の詩の読み手として、とても貴重な時間を過ごすことができた。 良質の詩は、誰がいつ詠んだものであっても、綴られる言葉、組み立てられる言葉に緊張が漲っている。 この緊張を追体験することこそ、僕が詩を読む目的である。 その目的は、存分に果たせた。 極上の経験であった。 必ず、感想をまとめたいと思う。 ただし、その前に、「解説」も読む。 編者がこれら詩群をどう受け止めるのか、それを知ることが楽しみで仕方ない。
- 2025年8月22日手の倫理伊藤亜紗再読中読み始めた身体、ケア、倫理。 主客二元論への揺さぶり。 たくさんの高校生に紹介したいこの名著を、たくさんの高校生に紹介できるようにするためにも、再読する。前回よりも丁寧に読み進めるつもり。
- 2025年8月22日
- 2025年8月17日石垣りん詩集 表札石垣りん再読した旧版の『表札など』(童話屋)で読み返しているのだが、そちらがReadsには登録されていないようなので、同じ童話屋のこちら『石垣りん詩集 表札』で。 いやー……やっぱハンパないですわ、石垣りん……ほんっとに、すごい。とりわけ、「崖」という詩に──「戦争の終り」に「サイパン島の崖の上」から「身を投げた女たち」を詠んだこの詩に、脳を鷲掴みにされた。 もう、僕の脳は、この詩に刻まれた言葉から一生逃れられないだろう。
- 2025年8月16日
- 2025年8月15日学校の「男性性」を問う前川直哉,大江未知,教育科学研究会,虎岩朋加学び!読み始めたまず、菅野真文の論考「トラブルとしての異性装」を読んだ。 著者は、「男性として生きてき」て、「異性装」で授業をすることを実践する高校教諭である。 いずれnoteか何かで感想や考えたことをまとめたい。 今日のところは、一つだけ、言葉にしておく。 曰く、「この論考は、公教育か教育産業かを問わず、およそ生徒と時間を共にするすべての大人たちが読むべきものである」、と。 大袈裟ではなく、心の芯からそう思う。
- 2025年8月15日どこかの遠い友に木村哲也,船城稔美読んでる毎日、少しずつ読み進めているこの詩集、今日は、「乾燥期」という詩(p. 114-117)の最終連、 私の日記には いつも、 エゴの傍線が 引かれているのです。 が、心にぐいぐいと食い込んできた。 「エゴの傍線」…! 「エゴ」も「傍線」も、あるいは「傍線が/引かれている」という主述の組み合わせも、何一つ珍しくも新鮮味もない当たり前の言葉、表現なのに、「エゴの」が「傍線」を修飾した途端に、とんでもない存在感を放つ詩語になる。これぞ、異化。 試しに、「エゴの」を取って読んでみてください。「エゴの」という表現がどれほどに凄いものなのか、「おお…!」と腑に落ちるはずです。
- 2025年8月13日どこかの遠い友に木村哲也,船城稔美読んでる「交媒」という詩がすごい(p. 100−102)。この一篇に出合えただけでも、この詩集を買ってよかった。いや、これは、本当にすごい…半分くらいまで読み進めたけど、今のところはこの詩がいちばんビビった。
- 2025年8月13日どこかの遠い友に木村哲也,船城稔美今日は「盲導鈴」までを読んだ。この「盲導鈴」、船城の詩としては"わかりやすい"。しかし、よくよく読んでみると、構成の緻密さにおののく。石垣りんの「シジミ」を初めて読んだときに似た印象を受ける。そしてたぶん、全盲の詩人、香山末子をこのところ読んできたことも、この詩に立ち止まってしまう、大きな理由の一つだと思う。文学は、文学と出合う。他ならぬ、この私という場において。
- 2025年8月13日
- 2025年8月12日春駒~吉原花魁残酷日記~(1)望月帝,森光子読み終わった学び!全3巻を一気読みした……というか、途中で閉じることができなかった。大正期の吉原を舞台に、一人の花魁が「春駒」から「森光子」へと生まれ直す物語……いや、「物語」ではなく、実際の「日記」に基づくアダプテーションである。恥ずかしながら、私は、森光子という書き手がいたことも、柳原白蓮という歌人の名も知らなかった。知ることができてよかった。「書く」ということの意味、「読む」ということの意味、そして「文学」というものの意味について、あらためて考えることができた。かつ、アダプテーションという創造行為の可能性についても。このマンガとの出合いは、私にとって大きなものがある。
- 2025年8月12日私とは何かーー「個人」から「分人」へ平野啓一郎かつて読んだ再読中いま企画を練っている本の執筆準備として、もう一度読み返してみようと紐解く。以前も思っていたが、この本は、現代思想的なものの考え(関係論的な思考、脱構築的な観点、同一性への懐疑)をイメージとしてつかむうえで、かなり良質な入門書なのではないか。
- 2025年8月12日現代思想入門 (講談社現代新書)千葉雅也読み終わった再読完了初読の段階でかなり苦戦した「ポスト・ポストモダン」のところ、少しイメージできるようになった。とくにメイヤスーについて。やはり再読は大切。あと、何度も言うが、本当に誠実な本。本書を手に取る読者のほうをきちんと見ている。とりわけ、最後の「現代思想の読み方」講座のようなコーナーが素晴らしい。一冊の本として書いてほしい。
- 2025年8月11日どこかの遠い友に木村哲也,船城稔美読み始めた毎日、少しずつ読み進めている。今日は、「無精卵」という詩を繰り返し読んだ。後でまた読むと思う。そして、この詩を読んで心に湧いた動きを言い表わす語彙が、いまの僕にはまだない。言葉を探さなければならない。
- 2025年8月11日現代思想入門 (講談社現代新書)千葉雅也再読中わけあって読み返している。やはり、とても良心的な一冊だとあらためて思う。僕は脱構築を〈他者への開かれ〉という側面からイメージしてきたのだが、そうした読みを後押ししてくれるようで、嬉しい。
- 2025年8月10日自分で考える勇気御子柴善之かつて読んだ御子柴善之の、一般に向けて書かれたカントの"入門"書も読んでみたが、やはり難しかった。 けれども、この、『自分で考える勇気』(岩波ジュニア新書)は、本当にわかりやすい。 僕は、一般書としてのカント入門が難しく書かれていたこと、そしてこの『自分で考える勇気』がとてもわかりやすく書かれていたこと、そのどちらにも、心の底から感動した。 この書き手は、然るべき言葉を、然るべき相手にきちんと届けようとしている。 想定される読者に、どこまでは届けられ、どこ以上は厳しいのか、とことんまで考え抜き、言葉を選んでいるのだろうと思う。 その"削ぎ落とし"には、研究者としての相当な葛藤もあったに違いない。 先日も、生徒たちに、この『自分で考える勇気』を勧めた。 高校生の間に、本書と出合えること、格闘できることは、きっと、計り知れないほどに幸せなことなのだ。
- 2025年7月18日
- 2025年7月11日ユニヴァースのこども中井敦子,森岡素直noteに感想をアップしました。 かなり本気で書きました。 お読みいただければ幸いですm(_ _)m https://note.com/gendaibun/n/n614a49644c33
- 2025年7月8日
読み込み中...