ゆい奈 "新版 いくさ世を生きて" 2025年8月10日

ゆい奈
ゆい奈
@tu1_book
2025年8月10日
新版 いくさ世を生きて
泣く赤子を自らの手で殺すしかなかった母、死んでしまった母の乳を吸う赤子、ひとりぼっちとなり泣く幼児、怪我をして歩けない人、助けを求める人、を横目でみながら歩をすすめる。次第に、どんな光景をみても、なにも思わなっていく生き地獄。そしてあの時代を生きた女性たちは、戦争中は自軍の、戦後はアメリカ軍の性暴力にも怯えた。誰も口にはしないけれど、誰しもが一度は被害を受けていたという。心までもが殺されていく。しかしそうしなければ生きれない現実もあった。想像を絶する悲惨さに、胸が押し潰される。戦争は人間を化け物にする。 p49「わたしが、戦争の夢を見てよくうなされるもんですからね、主人が、キミ、いつになったら忘れられるのかって可哀そうがりますけどね。生きているかぎり、あの恐ろしさはどこへも消えません。死ぬまで、わたしにとっての戦争は終わらないんだ、とそう思っています」
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