新版 いくさ世を生きて

13件の記録
- ゆい奈@tu1_book2025年8月10日読み終わった泣く赤子を自らの手で殺すしかなかった母、死んでしまった母の乳を吸う赤子、ひとりぼっちとなり泣く幼児、怪我をして歩けない人、助けを求める人、を横目でみながら歩をすすめる。次第に、どんな光景をみても、なにも思わなっていく生き地獄。そしてあの時代を生きた女性たちは、戦争中は自軍の、戦後はアメリカ軍の性暴力にも怯えた。誰も口にはしないけれど、誰しもが一度は被害を受けていたという。心までもが殺されていく。しかしそうしなければ生きれない現実もあった。想像を絶する悲惨さに、胸が押し潰される。戦争は人間を化け物にする。 p49「わたしが、戦争の夢を見てよくうなされるもんですからね、主人が、キミ、いつになったら忘れられるのかって可哀そうがりますけどね。生きているかぎり、あの恐ろしさはどこへも消えません。死ぬまで、わたしにとっての戦争は終わらないんだ、とそう思っています」
- ユウキ@sonidori7772025年7月31日読み終わった借りてきた終戦から33年、沖縄戦を体験した女性たちへの聞き取りの記憶。 本土から来た著者が抱く申し訳なさと、思い出させてしまったことへの罪悪感は、同じく本土に育った私も読みながら共感してしまった。 沖縄戦のことを言葉にしても、あの地上戦を体験した人でなければ正確に伝わることは絶対にないという証言者たちから伝わる壮絶さは、語るものだけでも凄惨なのにそれ以上があるのかと絶句する。 戦火の悲惨さだけではなく、「女性」が語るからこそ窺える被害も凄まじいものだった。 自らの生存と引き換えに、戦時下は日本兵、戦後はアメリカ兵から受ける性暴力の実態は、彼女たちに心身ともに深い傷を負わせただろうと辛くなる。 裏表紙に記載があったが、家族、友人の命、文化、生活だけでなく、ありとあらゆる尊厳も奪い尽くされた、女性たちの痛みの記憶の継承だった。
- 𝘪𝘯𝘰𝘳𝘪@fysminr2025年6月23日読み終わったもらった@ 自宅友人からいただいた本 沖縄戦を生き延びた人々の聞き書き ほんとうに凄まじい本だった 痛みへの眼差しを忘れずにいなければと思った 読んでいる最中・読み終わったあとしばらく、脱力して、食欲が薄れた 今もなお地続きの戦後を生きている人がいる 体験していない戦争について知ることや考えることが、今のわたしにできる罪滅ぼしだ
- どんつき団@dontsukidan2025年5月18日買った@ 有隣堂 ニッケコルトンプラザ店復刊を知り既に旧版を持っていてもあえて一読者として意思表示をするために購入した一冊。 "黒い予感"の足音が近づく今だからこそ未読の人へ届き読んでいただきたい本です。