
千草
@chigusa2330
2025年8月10日

杉森くんを殺すには
おさつ,
長谷川 まりる
読み終わった
借りてきた
好きな作家さんが読んでいたのをきっかけに手に取る
「杉森くんを殺すことにした」主人公のヒロ
義兄のすすめで「杉森くんを殺す理由」を書き残し、殺人で捕まった時後悔しないよう「やり残したこと」を片付けていく
杉森くんとはどんな子でなぜ殺す必要があるのか、だんだんと分かっていく人物像とヒロの心情が真っ直ぐに書かれている
一つの章の中にヒロの日常と杉森くんを殺す理由の二つが書かれている構成
読み終わったあと、色々なことを考えて、でも上手くまとまらなくて、心がグラグラするようなヒリヒリするような感じがした
初めはヒロの考える「杉森くんを殺す理由」になんでこんな嫌な子と仲良くしていたんだと思わされたけど、だんだんと分かっていく杉森くんという人物とヒロの本当の気持ち、特にヒロから杉森くんへの好きという気持ちが読んでいて心が痛かった
大好きだったからこそ、ずっと一緒にいて、でも壊れていく杉森くんを上手く受け止められなくて、友達というよりは依存先になっていって、でもどんなに苦しくても嫌いにはなれないくて
だって友達だったから、優しかったから、尊敬していたから
そういうヒロの苦しみが丁寧に書かれていて読んでいる自分も少し苦しくなった
だからこそ、ヒロが最終的に出した答えにホッとした
ヒロがちゃんと自分自身の人生を生きていってくれるといいなと祈らずにはいられなかった
それから、ヒロの真っ直ぐな気持ちが書かれたシーンとヒロの部屋での杉森くんとの会話のシーン、花火大会で良子さんと赤ちゃんを見るシーンがすごく好きで印象に残ってる
矢口くんのネーミングセンスには笑った
彼の恋が上手くいくことも願う




