まいける "富士山" 2025年8月11日

富士山
富士山
平野啓一郎
パラレルワールド、分岐点、偶然、必然、幸運、不運、幸せ、悲劇、、、。 そんな言葉が頭を巡る5つの短編だった。 初めての平野啓一郎さん。 一番ホッとしたのは一番短い短編。 「手先が器用」祖母がくれた魔法の言葉のおかげで生きる力をもらった女の子の話。 時々思い出す。中学時代の体育教師や高校時代の美術教師が褒めてくれた言葉。今でも変わらず自分を照らしてくれている。 「富士山」も面白い。 「富士山の正面というのは、どの方向から見た姿なんだろうか」という加奈のつぶやきは胸を締め付ける。 一面だけで人を判断して、決定的な距離をつくってしまったことは確かにあった。 でも強い想いがすてきな偶然を引き寄せることもあるから人生は面白い。
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