
fuyunowaqs
@paajiiym
2025年8月11日

花びらとその他の不穏な物語
グアダルーペ・ネッテル,
宇野和美
読んだ
WomenInTranslation
#WITMonth 2025として。作者のグアダルーペ・ネッテルはメキシコの作家。
本書に収められた短編は6作、それぞれ独立して趣向を凝らした物語になっており、退屈しなかった。好きな話もあるし嫌いな話もある一方、距離を置きたいような話もあった。十五歳の夏の忘れられない数日間を述懐する「桟橋の向こう側」と、個人による日記の形態で綴られた「ベゾアール石」は、どちらも告白の語りに並外れた力があって楽しかった。いちばんおもしろいと感じたのは、ひとつの破綻をあっさりと描いた「盆栽」。
装画は澤井昌平さん、装丁は桜井雄一郎さん。