石坂わたる "読書について" 2025年8月11日

読書について
読書について
アルトゥル・ショーペンハウアー,
鈴木芳子
「どんなにたくさんあっても整理されていない蔵書より、程良い冊数で、きちんと整理されている蔵書の方が、ずっと役に立つ。同じことが知識についても言える。いかに大量にかき集めても、自分の頭で考えずに鵜呑みにした知識より、ではずっと少なくとも、じっくり考え抜いた知識の方が、はるかに価値がある。」 「学者、物知りとは、書物を読破した人のことだ。だが、思想家、天才、世界に光をもたらし、人類の進歩を流す人とは、世界と言う書物を直接読破した人のことだ。」 「読書と同じように、単なる経験も施策の代わりにはなれない。単なる経験と施策との関係は、食べることと、消化・吸収との関係に等しい。」 「議論の余地ある問題に間やる節を引用して、焼きになって早急に決着をつけようとする人々は、自分の理解力や洞察力の代わりに、他人のものを動員できるとなると、心底喜ぶ。彼らにはそもそも理解力や洞察力が欠けている。こうした人々は無数にいる。セネカが言うように『誰だって判断するよりも私を信じたい』からだ。」 (以上、「自分の頭で考える」) 「読書をしていると、ものを考える活動は、大部分、棚上げされる。」 「読んだものを全て覚えておきたがるのは、食べたものをみな身体に留めておきたがるようなものだ。私たちは食物で身体を養い、読んだ書物で精神を培う。それによって現在の私たちが出来上がっている。」  (以上、「読書について」)
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