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@miki294
2025年8月12日

魍魎の匣
京極夏彦
読み終わった
帰省した。盆の墓参りのための帰省である。
そうだ、本を読もう。
列車の中で思い立った。実家には本が置いてある。思い立ったら読みたくて堪らなくなった。
どの本にしよう。置いてある本は当然、一度は読んだものばかりである。
本棚の一角が浮かぶ。
そういえば最近、あの人の本棚というのを見て、久しぶりに読み直したいと思っていたのだった。
さてどれにしよう。
背表紙を眺める。八月だからと時期で選んだ。
講談社ノベルス版は二段組だ。あまり得意ではないが、どういうわけかこれはするする読める。
目が文字の上を進む。頭の中に世界が構成される。指に紙が触れている。読めば読むほど読みたくなる。
初読の間は登場人物と一緒に事件に巻き込まれたような気持ちで読んだ。実際、読了後しばらく戻って来れない程だった。
今回は全容を知っているから、代わりに巧さが能く解る。
本を読んでいる。生きている。満たされる。
ああ、面白かった。
