まいける "武道館" 2025年8月12日

武道館
武道館
朝井リョウ
『武道館』(朝井リョウ著)を読んだ。 最初はアイドルの話かと、半ば冷めた目で読んでいたけど、主人公愛子の「アイドルの自分」と「本当の自分」の葛藤が面白くて熱くなっていく。 歌って踊ることが好きと、幼なじみと過ごすことが好きは、アイドル前からあったことで決して矛盾しない。 でも、アイドルとして生きていくためには、選択をしなくてはいけない。それが、その時代の流れで時代のルールなのだ。十年後、二十年後は変わっているかもしれないけど。 「正しい選択なんてこの世にない。たぶん、正しかった選択、しか、ないんだよ」 「何かを選んで選んで選び続けて、それを一個ずつ、正しかった選択にしていくしかないんだよ」 愛子の選択、杏佳の選択に幸あれ。そう祈った。 自分自身の内面をきちんと見つめ、 自分にとっての「本当」を見出していくことが SNSをはじめ周囲の風にのまれない生き方なんだろうな。 朝井リョウさんの文章を読んでいると、それだけで楽しくなる。
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