ON READING "ガラスと雪のように言葉が溶け..." 2025年8月13日

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2025年8月13日
ガラスと雪のように言葉が溶ける-在日韓国人三世とルーマニア人の往復書簡
自分の子供と異国の言語で話す文化人類学者のイリナ・グリゴレと、自国の言葉を話せないライター、尹雄大が、自らルーツと言語、そして言葉で表現できないアイデンティティと身体感覚について語り合った往復書簡集。 読み始めてすぐ、これはゆっくり読む本だ…と思い、毎晩少しずつ、ちびちび大事に読みました。 相手の名を呼びながら、互いのいる土地に想いを馳せながら。 ずれたままで、むやみに同調をすることなく。こんな風に、誰かと対話をすることができたなら。 暴力、身体、異国、移民、植民地主義、言葉、祖母、母、父、子ども、武術、病、痛み、食べること、ルサンチマン、国家。 イリナさんの「言葉」や「身体」に対する鋭敏な感覚、尹さんの自身のルーツと家族に対する想い。 かねてから、ひとりで文章を書くことと、誰かに宛てて文章を書くことの違いと可能性を感じられる「往復書簡」という枠組みがとても好きなのですが、これまでのおふたりの著作ともまた違う言葉のやりとりに、震えながら読みました。読んでいる私たちの、深いところまで届く対話です。ずっと読んでいたかった。
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