
まいける
@bluesky42195
2025年8月14日

八月の六日間
北村薫
読み終わった
「ひと月前、燕岳に来て、槍を見てしまった」
「忘れ物、取りに来たんだ」
「応援しています」
そんな会話が粋である。
山に行くと空気が違う。山で出会った人と交わした会話がより新鮮になる。羊羹片手に登っている人と再会する。約束もしていないのに再会する。
一人で自由に登りたいというヘンクツがヘンクツと出会い、会話を弾ませる。でも、互いに距離を大切にはかる。
高所恐怖症の私が槍ヶ岳に登り、猫の額みたいな頂上で、「写真撮っていただけますか」と頼まれる。引き受ける私のへっぴり腰を仲間が笑う。
雪の天狗岳もでてきた。冬山の恐怖感を自分で膨張させ、前日ドキドキ眠れなかったのを思い出す。
ノンフィクションみたいなフィクションだけど、蝶ヶ岳や常念岳からの景色がイメージできるから楽しくて仕方がなかった。
いい本に出会えた!ブクログに感謝。
