
しをに
@remnkkswn60306
2025年8月13日

向日葵の咲かない夏
道尾秀介
読み終わった
以下、真相が明るみになった時点での感想が「やったぁあああああああああ!」になるまでの経緯。ネタバレ注意。
前提:最序盤から「流石にこれは3歳児ではないでしょ!?」で盛大に躓く。
そこから:漠然とミステリーなのかなと思いながらなんの情報も持たずにスタート→あれ、これもしやホラー?→蜘蛛がシャベッタァァァァ!???→むしろファンタジー!?→少年少女探偵団始まったが……?→何もかもいびつで噓っぽくて気持ち悪いので一刻も早く全てが幻覚だという確証をくれ早く早く早く!→何もかもちゃんと幻覚だった良かったーーーーー!!!ブラボ―――!!!→という盛大な安堵とガッツポーズのままでゴール
冒頭からずっと色んな違和感を蒔いて蒔いて疑念も不安もお供にしたまま読むように道を敷かれた本だと思うので、そのとおりに読んで全然良かったと思うんだけど、3歳……人生2周目とかじゃなきゃ納得しがたい幼児の表象……こんな3歳児いる!?と冒頭から延々実況する私を本の貸し主はどんな気持ちで見ていたのでしょうか。
だからさ、あの子は「3歳の妹」という存在を見たことすら無かったんだよ。記憶ですらない。想像するしかなかった、話し相手になってくれて、味方になってくれて、ちょっとだけ面倒な可愛い妹。
違和感のチューニングとしては、せめて5.6歳設定にして欲しかったけど、そうなるとミチオの当時の年齢も2.3年ずれることになるのか。難しいな。何目線の検討。
※投稿後の追記8/14:5.6歳設定にすると、幼稚園や保育園に行かせずに家に置いてることの理由づけも必要になるのかー。いやでも、3歳児こそ1人で家に置いてるはずがないのでは……?(ループ)
作中で言う変態教師の描かれ方とか、思うところはいくつかあったけど、これも全てミチオのレンズから見た存在であり、ただの舞台装置だからなぁ。20年前の本かぁ。
さらに自分の好みの話だけすると、最後の火事とか白昼夢みたいなエピローグは無い方が良かった気がする。冒頭との繋ぎ方はどちらが地獄だっただろう。泰造が本当に生まれ変わったかのように喋り振る舞って見えたのが余計に凄みで、あそこが一番好きだった。結局ずっと誰もいなかった。ずっと1人の地獄だった。ネタを明かされて、理屈で理解する以上に、あの切り替わりの瞬間が最も温度をなくしてたと思う。
ちなみに私は自分にドッキリ仕掛ける人間がいたら一生許さんと思ってる人間なのでーーー。ミチオの罪がどうとか、母親の憎しみへの理解ではなく、ドッキリというリスク管理の観点では最悪の文化が廃れますようにという恨みを込めた願掛けです。
