
はな
@hana-hitsuji05
2025年8月14日

アイネクライネナハトムジーク
伊坂幸太郎
かつて読んだ
ふと思い出した
またいつか
何年か前に読んだ時、自分の周囲に意味が生まれて全てが物語みたいなものなんだという気持ちが吹き抜けて行った感じがした。
交差点や本屋の棚ですれ違った人、初めて会った知らない人のはずだけど、もしかしたらお互いに違う服を着て違う場所でも知らずすれ違っているかもしれない。
そしてその時それぞれに良いことがあったり悩んでいたり考え事をしていたんだろうな。
この本を読んでから、怒りん坊の煽り運転のドライバーやお礼を言わない無愛想な人にもあんまり腹が立たなくなった。
この人の昨日、これまでの日々にどんなことがあって今、この感じなのかな〜とか考えるようになった。
もしかしたら家族が病院に運ばれて急いでるのかも…とか、あの無表情のおばあちゃんにも大好きな人がいたのかも、とか。
もう自分の頭の中に無限に誰かの物語が広がっていくのが面白い。
通りすがりの人なんかただのモブで、彼らから見た私もそうなんだけど、私の生まれた瞬間から今ここにいるまでの物語も確かにあるわけで、そういう人たちがたまたま同じ時間に同じ場所にいて、他人としてすれ違ってもう二度と会わないかもしれないし、ニアミスしてること知らずに数年後に知り合うのかもしれない。
伊坂幸太郎は全部の物語を好きってわけじゃなくて、殺し屋シリーズとかは私に取って少し読みづらい面があるけれど、こういう1冊の世界は割と好きなものも多い。







