
ソナチネ
@sonatine
2025年8月14日

読み終わった
とにかく読むのに気力がいる作品だった。
あなたの見ている物事は、ある側面からは正しいかもしれないが、別の側面から見ればその限りではないかもしれない。そんな危うさや、可能性を感じさせる物語の作りになっている。
章ごとに、語る登場人物が代わり、同じ出来事が違った側面から語られる。正しさとは何か?
何故、世間的に正しいことに邁進する登場人物にある種の狂気を感じてしまうのか?
作中の絶対的な正義を信じて疑わない人物の暴走とも見える行動を、どこかで見たことあると思ってしまうのは何故か。社会的立場や性別、年齢、世代によって取り巻く世界は異なっており、世界は複雑である。分かり易さが求められる世界で、この小説を読んで分かることは…いや。やっぱ…分からないということかもしれない。世界はこうなっているのかもしれない、と思わせる物語だった。

