YABUNONAKAーヤブノナカー (文春e-book)

9件の記録
- ソナチネ@sonatine2025年8月14日読み終わったとにかく読むのに気力がいる作品だった。 あなたの見ている物事は、ある側面からは正しいかもしれないが、別の側面から見ればその限りではないかもしれない。そんな危うさや、可能性を感じさせる物語の作りになっている。 章ごとに、語る登場人物が代わり、同じ出来事が違った側面から語られる。正しさとは何か? 何故、世間的に正しいことに邁進する登場人物にある種の狂気を感じてしまうのか? 作中の絶対的な正義を信じて疑わない人物の暴走とも見える行動を、どこかで見たことあると思ってしまうのは何故か。社会的立場や性別、年齢、世代によって取り巻く世界は異なっており、世界は複雑である。分かり易さが求められる世界で、この小説を読んで分かることは…いや。やっぱ…分からないということかもしれない。世界はこうなっているのかもしれない、と思わせる物語だった。
- かゆ@kyn_kn2025年8月2日読み終わった自分だからわかる自分のこと。 他者だからわかる自分のこと。 人は多面的であり、それが面白さでもあり恐ろしさでもある。 まさに、答えは藪の中…という感じではあるけれど、ラストには希望もちらりと顔を覗かせる。
- aida@9mor12025年5月13日読み終わった語り手の誰も全然好きになれなくてでも出てくるどの人にもちょっとずつ自分に似ているところがあってたまらなく嫌。語り手が言っていることがそれぞれちょっとずつわかり、自分がどの立場を取るとはっきり言うことがわたしにはとても難しい。