
つたゐ
@tutai_k
2025年8月15日

地方女子たちの選択
上野千鶴子,
山内マリコ,
藤井聡子
読み終わった
「富山県」の女性の聞き書きを集めた本…というまとめでいいのかな、と思う。序文には「富山は、日本中のどこの地域とも通じる、典型的な地方都市だ。」と書かれているけれど、地方都市や「地方」は日本のすべての地方都市や地方を代表しないし、通底する問題の全ては包括していないし、「富山県」の特徴の話を筆者や聞き取りの人たちも話しているので、やはりあまり「普遍的」な書物としては機能しないのではないかと思った。
おもに「職業」を持つ(獲得できた)女性の聞き取りであり、「外に出てみる」ことを推奨するような内容が多くて、偏りも感じる。編集や制作の方向性としてなるべく多くの当事者の事例を集めようとしているのはわかるけど、偏りがあるように感じられたし、「インタビュー記事」が言葉を切り貼りされるような形であったのも残念だなあと思った。
「外」から地方を眺めるものはもうじゅうぶんあるけど、どうしても内側から(内側に止まっている)の発言は偏重していると軽視されているように感じられたし、内側から語るものが必要だなと思った。




つたゐ
@tutai_k
たぶんこの人選って別に「そうしよう」と思ってそうしたわけじゃなくて、たぶん「語れる人」を集めた時にこういう集め方しか「できなかった」(語ってもいい人がこのタイプの人たちしかいない/顕在化されていない/編集や制作サイドが「把握していない」)んだとおもうけど、これを「全国と通じる典型例だよ」から開始してしまうのはちょっとねぇ…。そして最終的に制作サイドに「出て行った女」「戻ってきた女」しかいないのも、すでに偏ってて、そこの疑問視がなかったのかというところも気になる。
「女性だけ」で揃えたらいいのかというとそうではなくて、女性の中にも階級はあり、権力勾配がある。そこに無自覚だと思った。
