
紫嶋
@09sjm
2025年8月15日

丸の内魔法少女ミラクリーナ
村田沙耶香
読み終わった
借りてきた
たまたま表紙とタイトルが目に留まって読み始めた本だったが、どの作品も独自の世界観が光り、ぐいっと引き込まれて面白かった。
四つの短編が収録されていたが、どれもに共通して感じたのは、常識に対する疑問や転換というか。常識や普通とされていることと、登場人物との間に生じた隙間から物語が溢れ出してくるような印象であった。
想像力豊かな突拍子のない物語のようでいて、けれども現代や近い未来に起こり得ないとは限らない絶妙なリアリティも伴っていて、読んでるうちに不意に身近なテーマに感じられる瞬間があったように思う。
個人的には、表題作の「丸の内魔法少女ミラクリーナ」が一番好き。p15の「ストレスフルな日々をキュートな妄想で脚色して何が悪いんだ」という一文にグッと来た。
「変容」もよかった。世にも奇妙な〜などでドラマ化されて欲しい話であった。

