
千草
@chigusa2330
2025年8月15日

天才望遠鏡
額賀澪
読んでる
感想
エスペランサの子供たちをさっき読み終わった。
初めはナナオが勇仁に歌のオーディションを押し付けているようで嫌だった。勇仁にも自分のやりたいことがあるんじゃないか、と思った。
でも少し考えたら、そうじゃないと気づいた。勇仁には選択肢がない。母親が一生懸命働いて働いてやっと生活していくためだけのお金が稼げる。できるだけ早く大人になって家にお金を入れなきゃいけない。かくいう私は、親にもお金にも恵まれて、やりたいことをできて、たくさんの選択肢がある。多くの選択肢に延々と悩めるだけの余裕がある。違うから、読むだけでは気がつけなかった。
選択肢がない勇仁にナナオは新しい道を強引にも与えた。親が気づいてあげられない才能に気づいて、彼の未来が少しでも明るくなるように、掬い上げようとした。ナナオからしたら偽善で、過去の自分の無念を押しつけているだけなのかもしれないけれど、私は、行動を起こして他人のために今を変えようとした彼女はすごいと思った。


