天才望遠鏡

天才望遠鏡
天才望遠鏡
額賀澪
文藝春秋
2025年7月11日
15件の記録
  • 様々な天才を、第三者の視点から眺める物語。 地の文が繊細な言葉で彩られていて、物書きとして非常に参考になる小説だった。
  • 千草
    千草
    @chigusa2330
    2025年8月24日
    最後の話の「星原の観測者」を読み終わった 売れっ子作家だか社会性がない釘宮志津馬と大ヒットするわけでも大赤字を出すわけでもなく真面目に作家を続けていた星原イチタカ。星原が急死し、釘宮は何を思うのか。 このお話は世間で天才と呼ばれる人が特に誰にも注目されない一人を見てきた話だった。 天才と言われると何でも持っていて同じ人間じゃないような気がしてしまうけど、そんなことはなくて、自分にないものを持つ者を羨ましく思うのかもしれないと思う。 釘宮は出版社に都合よく使われていると分かっていながら作家として楽しく仕事をしていた星原を少し羨ましく思っていたのかなと思った。社会性がない自分にも優しくて、作家として人気が出た自分にも説教をしてくれて、作家になって15年ずっと側で見ていてくれた友人を尊敬していて、大切で、眩しかったのだと釘宮のセリフを見ながら思う。星原もそれは同じで、人気のある釘宮を疎ましくも羨ましくも思っていたけど、1番に尊敬していて大切だったと思う。そういう友人関係が読んでいて羨ましいなと思った。 それから、星原をずっと見ていた釘宮の才能について語った言葉がグッときた。たくさんの人が見ていなくても、自分にしかない才能を見ていてくれる人がきっといると思うと、頑張ろうと思える。自分に自信がなくなったときに読みたい言葉だと思った。
  • 千草
    千草
    @chigusa2330
    2025年8月19日
    「カケルの蹄音」を昨日読み終わったので感想を 怪我で陸上部を退部した翔はその反動から学校へ来る気力を失い、遅刻、サボり、赤点とどん底に落ちていた。そんな彼への救済措置として、馬術部での強制労働が課せられる。 このお話は他のお話と違って才能について書かれた話だと思った。分かりやすく天才という存在がいない。天才ではないけど、翔琉やズットカケルのように才能があって地道に頑張って来た者の話かなと。でも、翔琉は才能に見合った肉体を持ち合わせておらず、ズットカケルは頑丈な肉体はあったが、上の世界で勝ち抜く力がなかった。翔琉は特に人一倍頑張る気持ちがあったと思う。 夢破れた翔琉の気持ちは少しだけ共感できた。目標や夢がない状態は翔琉の言うように迷子になっているのとよく似ている。気力を失ってどん底に落ちている状態だと、大人の助言も説教も応援も鬱陶しくて、それは自分が1番自分の状況を分かっているからで、それでもなすすべがないから困っているわけで。読んでいて先生が構ってくるのを鬱陶しく思う気持ちがわかる気がした。その上、ズットカケルまで出て来て、翔琉の中では何も決まっていなくて迷っているのに、周りの環境だけはグルグル周り続けている感じがむずむずした。 でもだからこそ、翔琉がズットカケルに興味を持って、自らズットカケルに乗り、「助けてくれる?」とまで話しかけた変化にグッときた。翔琉が自分に向き合ったということが分かって良かった。 そしてラストシーン、ズットカケルが駆け出して、障害物を飛び越える瞬間は読んでいるこちらにもその景色が見えてくるようだった。翔琉とズットカケルの今後に期待したい。
  • 結
    @yi_books
    2025年8月18日
    天才と呼ばれる側の人、そしてその側にいる人、それぞれの視点のそれぞれの想いにどれもわかるなと共感できる部分があってとてもグッときてしまった。 「このまま続けたらね、スケートを嫌いになる気がしたんだ」ってレイナの言葉が思わぬところに刺さって抜けない。 「エスペランサの子供たち」と「星原の観測者」が特に好きだなと思ったけれど、意外と自分の中に残り続けるのは「妖精の引き際」なのかもしれないという予感が少しある。
    天才望遠鏡
  • 行灯
    行灯
    @honyomuzoi
    2025年8月16日
    エスペランサの子供たちが刺さっちゃってもう〜〜〜ちゃんとしてる家庭は子どもを戦力として考えない…才能があっても環境が整ってなくて潰された芽はたくさんあるんだろうな
  • 千草
    千草
    @chigusa2330
    2025年8月15日
    エスペランサの子供たちをさっき読み終わった。 初めはナナオが勇仁に歌のオーディションを押し付けているようで嫌だった。勇仁にも自分のやりたいことがあるんじゃないか、と思った。 でも少し考えたら、そうじゃないと気づいた。勇仁には選択肢がない。母親が一生懸命働いて働いてやっと生活していくためだけのお金が稼げる。できるだけ早く大人になって家にお金を入れなきゃいけない。かくいう私は、親にもお金にも恵まれて、やりたいことをできて、たくさんの選択肢がある。多くの選択肢に延々と悩めるだけの余裕がある。違うから、読むだけでは気がつけなかった。 選択肢がない勇仁にナナオは新しい道を強引にも与えた。親が気づいてあげられない才能に気づいて、彼の未来が少しでも明るくなるように、掬い上げようとした。ナナオからしたら偽善で、過去の自分の無念を押しつけているだけなのかもしれないけれど、私は、行動を起こして他人のために今を変えようとした彼女はすごいと思った。
  • 千草
    千草
    @chigusa2330
    2025年8月15日
    「星の盤側」「妖精の引き際」も読み終わっていたけど感想をまとめていなかったので、考えたことを忘れないうちに 「星の盤側」 現れては消えていく天才たちをカメラマンとして側で見つめ、写真に収めてきた多々良の物語。 天才たちの存在を認め、彼らの最高の瞬間、才能の燃え上がる瞬間を写真に収められることを、心の底から誇りに思っている多々良の仕事ぶりがかっこよくて憧れた。私も自分の仕事に少しでも誇りを持てる人になりたい。 「妖精の引き際」 パリで大学生活を送る律は、幼馴染の金メダリスト、萩尾レイナが引退を決意したことを知る。フォトエッセイの撮影のためにパリにやってきたレイナと街を巡りながら彼女の引退について考える。 律のレイナへの尊敬の気持ちが温かくて優しくてすごくよかった。 自分よりも後にスケートを始めた女の子が気がつけば自分を追い抜いて、自分が怪我でスケートができなくなった頃には、世界で戦うほどのスケート選手になっていて、劣等感ややるせなさ、色んな思いがあったと思う。それでもレイナの努力する姿を知っているからこそ、ずっと応援して見つめ続けてきている姿がいいなと思った。 レイナを心から尊敬している律だけど、私からしたら彼自身も、夢はなくとも、パリという街に惹かれて2回目の大学生活を送るために留学できるのは十分すごいと思う。言葉とか気候とか、慣れない生活に苦労したこともあったと思う。彼が残り少ない留学生活で夢を見つけられることを祈る。
  • 千草
    千草
    @chigusa2330
    2025年8月12日
    少し前に買ったサイン本 今の自分にぴったりな気がして読み始めた カメラマン多々良の仕事に向き合う姿がかっこいい 自分もこんな大人になりたい
  • “天才”の陰りや葛藤を描いた5篇の連作短編集。 読みやすいが内容は軽くない。ずしんときて、一筋の光が見える読後感。 5篇内だけでなく、他の著作とも世界が繋がっているのが嬉しい。タスキメシシリーズ読んでからぜひ!
  • Blue moon
    Blue moon
    @mimosamimi
    2025年6月17日
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