どうどう "帰れない探偵" 2025年8月15日

どうどう
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@toutoutoudo
2025年8月15日
帰れない探偵
帰れない探偵
柴崎友香
厚めの紙が使われていたのか2ページ捲ったと思って一ページ減らそうと思ったら1ページしか捲ってなくてあれ?となったのが五回ぐらいあった。 はじめの街のエピソードを読んでたらポールオースターのガラスの街を思い出した。現実的な部分と虚構的な部分がよい塩梅で私が小説に求めているもので読んでいて苦じゃなかった。場所の固有名詞が出てこないこと、あと名前も(仮名)となっているのもよい。明確な場所と人名はいらない、何が起きたのかが重要。帰れないというのは物理ではなく時間のことなのかなと思ったりした。お盆休みで人生のこれまでとこれからを考えてしまっていたのでラストの手前ぐらいのシーンが本当によかった。故郷へ帰りたいか帰りたくないかの問題提起を本質を語らずに提示して主人公の答えがでてくる。作者の私小説的な読み方もできるのかな。この方の本で前にも帰れない故郷のエピソードがあった気がした。 今から10年あとの話という枕詞も時系列の奥行きをだしている感じがあった。今の私から未来のことを語っている…、あらゆることは今起きる..!?
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