
kasu.
@11uyksm
2025年8月15日

舟を編む
三浦しをん
読み終わった
単行本
辞書『大渡海』の完成を目指し、長い年月をかけて地道に奮闘する姿を描く物語。
辞書作りに没頭するあまり、うっかり鉛筆で蕎麦を食べようとする様な変わり者ばかりが出てくるけど、どの登場人物も好きになる。特に馬締のキャラがどんどんとクセになってくる。
そして何より作品を通して辞書の魅力に気付かされ、今では我が家のリビングには辞書3冊常備📚
「私も辞書作りたい」とまで思わせてきた素晴らしい作品だった。
「なぜ、新しい辞書の名を『大渡海』にしようとしているか、わかるか」(P26.P28)
読み進めていくうちにどんどん名前の意味が分かるようになる。深い。ここの説明してるページの付箋は一生外しません。
馬締節が炸裂(P21.P25.P64.P116.P173.)
変な人だけど、放っておけない愛嬌がある人。この人が居なかったらこんな愉快な仲間たちにはならなかったと思う。馬締ファンになった。
馬締×香具矢の組み合わせがまた良い…!(P91.P94.)
不思議ちゃんな馬締と芯のあるしっかり者の香具矢。正反対すぎて相性が良いのかな…すごく好き。
西岡×馬締も良い。(P116.P126.P132.P133.)
一見おちゃらけな西岡も、実は芯のある熱い人でまるで馬締の保護者。2人の掛け合いがホッコリもさせる。
ドラマでは岸辺が主人公になっているので、この人の登場が中盤〜なのに驚き。そしてたまに毒づくのがまた面白かった(P169.)
「たくさんの言葉を、可能なかぎり正確に集めることは〜…相手に差しだしたとき、気持ちや考えが深くはっきりと伝わる。」(P186.)
この一節にすごく納得。言葉って普段から使うから意識して使うのは失礼のないようにしなきゃいけない相手くらい。でも日常の中で言葉の引き出しが多くなれば伝わる気持ちも多くなる。改めて、言葉って大事なんだなと気付かされた場面。
『大渡海』の装幀最終案。(P240.)
これを読んで驚いた。まさか表紙が伏線になってたなんて…!!!!!これに気が付いた時には感無量。
終盤、泣けて泣けて涙が止まらなかった場面(P246.)
私も最近同じような経験をしたので、馬締たちの気持ちがよく分かる…「大丈夫」「がんばって」は応援するには使い易い言葉かもしれないけど、それが適切なのか、分からなくなる場面あるよね…と感情移入し過ぎた。



