m "真夏の死" 2025年8月16日

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@kyri
2025年8月16日
真夏の死
真夏の死
三島由紀夫
「朝子は気づいていなかったが、彼女は人間の感情の貧しさに絶望していたのである。一人死んでも、十人死んでも、同じ涙を流すほかに術がないのは不合理ではあるまいか? 涙を流すことが、泣くことが、何の感情の表現の目安になるというのか? 人の目に映っている彼女自身は一体何者なのか? そうかと云って自分の内部に目を移すと、この比倫を絶した悲しみの実質が、いかにも曖昧模糊としていることに、別の絶望を感じるのであった。」(p.198)
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