ゆらゆら
@yuurayurari
2025年8月17日

美は傷
エカ・クルニアワン,
太田りべか
読み終わった
ジャワ島東部の架空の街ハリムンダを舞台に、オランダ植民地時代末期から日本占領下、独立、独裁下の弾圧と、インドネシア100年の暴力にまみれた歴史を、ある女性とその一族の物語を軸に描いてて、500頁超えの長編ながら、死者や幽霊も出てくるお話の面白さでぐいぐい引き込まれた。
こないだ観た「ルック・オブ・サイレンス」と前作「アクト・オブ・キリング」で描かれた1965年の「9月30日事件」(クーデターとその後の“共産主義者”弾圧)のことも、ある意味、寓話的に描かれていて、小説の凄みを感じた。最終的には、どこか、歴史で犠牲になった人々への鎮魂歌のようにも思った。
春秋社さんのアジア文芸ライブラリー。チベットの『花と夢』に続いて、読むの2冊目。他のも読んでいきたいな。
