うみこ "水車小屋のネネ" 2025年2月7日

うみこ
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@umico5
2025年2月7日
水車小屋のネネ
水車小屋のネネ
津村記久子
序盤、今まで持ってた津村さんの印象と違いすぎて戸惑う。近くに住む人たちが、なんとなくふわっと助け合いながら、困ったときは誰かに助けを求めて良い距離感で寄りかかりあいながら生きていく姿がたくましく美しかった。「重そうに見えるけど、何人かで持つと全然重くなかった」りするんだよ、人生は。頼っていいし、助けてって言っていいし、余力があるときは手を差し伸べたっていい、そんなことをうちの子たちにも教えてあげたい。「母親という人々も人間なのだ、」は自分がなってみてつくづく思うよ。物語の章が変わると十年のときがたっているというのが良かった。ぐんとときは進み、その間に読み手の知らない時間があるというのが、なんか豊か、と思った。いつの間にか8歳だった律に歳抜かされてるし。「自分がその手助けができるんだってわかった時に、私なんかの助けは誰もいらないだろうって思うのをやめたんですよ。」読み終えて、こんな津村さんの物語も好きだと思った。うん、とても。こんな世界をつくるために生きていきたいと思える本は、灰谷健次郎の「天の瞳」以来初めてかもしれない。
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