水車小屋のネネ

97件の記録
- ミオReads@hanamio032025年7月5日読み終わった続きが気になって早起きしたの久しぶりだ。 生きているわけではなく死んでいないだけという人が、自分の未来は特に見ていなくとも「だれか自分以外の人の未来がうまくいくといいと思った」瞬間に、未来を思えてうれしかった、しかもそれが「転職先でうまくいきますように」という、言ってしまえば「生きている」人間には普通を思うことで、でもそこに真剣な祈りや願いがあることに、その発見にうち震えるような喜びがあった。人が希望を持つ瞬間に立ち会えることが、たまらなく嬉しかった。 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ。」 そうなのかもしれない、と40年をかけて読ませてくれた。してもらうだけではなく、してもらったことを受け渡したくなる、そういう時間と視野と人生の余力が、10年ごとに変わっていく。 そしてずっとネネがいる。 困ったり、弱ったり、死んでいないだけになったり、そういうときになんとか転がり込んで歌い喋り踊りコミュニケーションを取るヨウムの姿にぼう然として、ネネにとって自分が当たり前になるぐらいまでぼう然として、それからまた、自分の足でネネの水車小屋から出て行く。 「またねっ!」 そう言ってくれるネネがいるから、自分の足で出て行ける。 素晴らしい物語だった。読めてよかった。
- ミオReads@hanamio032025年7月3日読み始めた図書館の予約の順番が回ってきた。半年待ちぐらいだったと思う。なにせ、何故予約を入れたのか、どんな本なのか、全く思い出せない。毎日新聞の書評で知ったのは間違いないんだけど(毎日新聞出版だから)。 だけど、読み始めた瞬間からもうたまらない。親に蔑ろにされた娘の、大人の理不尽な暴力にさらされた子供の、何もかもがいやになった女の、それでも生きていく当たり前さ、その真摯さにずっとずっと読みながら震えてる。 「なんとなく、これからの自分と律は、ジュースを飲む機会があれば必ず「いる?」とたずねるような関係でもなくなるだろう、という予感があった。それは要するに、理佐が律を子供としてもてなすのではない、律を甘やかしすぎない、二人で無駄遣いはしないという関係になることへとつながってもいるようだった。」 この1文を読んだ瞬間、もうだめだった。その「ああもうだめだ、たまんない、魂に刻まれる」の気持ちを今この瞬間に書き留めておきたかった。 引き続き、噛み締めて読みます。
- ゆらゆら@yuurayurari2025年6月25日読み終わったよかったー。辛いこともありながら、とことん優しくて、津村さんの小説だなあと、何度も涙しながら読む。40年という時間、時代が主役な気もした。出てくるいろんな音楽でプレイリストを作って、それをBGMにもしたりするのも楽しかった。あと蕎麦が食べたくなる! (23.6.4読了)
- haru@hrn44152025年5月10日読み終わったp465 誰かが誰かの心に生きているというありふれた物言いを実感した。むしろ彼らや、ここにいる人たちの良心の集合こそが自分なのだという気がした。 ずっと読みたかった本、やっと読めた。 やさしさを人に渡すこと、受け取ること。 あったかい気持ちになれました。
- ひまわり@rnr12358142025年4月7日読み終わった辛い境遇で育ってきたけど、水車小屋にある街にきていい人に恵まれて、親切が伝染していく。40年の物語だったけどあっという間に読み終わってしまった。
- ao@alphat_ao2025年3月31日読み終わった読んでるうちに寝落ちして朝読み終えた。 登場人物の「こう思った」「こうした」というシンプルな文の中に、この出来事をそう捉えるのは素敵だなと思うところが多かった。 ネネが要所要所でみせる言動は考え込みすぎる人間にはできないからこそ働く作用があって、それに励まされる登場人物たちもまた微笑ましかった。
- さわ@sawa12162025年3月22日かつて読んだそれぞれ違った境遇にありながら、ひたむきに優しさを持って生きていく登場人物たちに心を打たれた。立派でなくても、何かを成し遂げなくても、いち市井の人としてこうありたいなと思った。大事な一冊です。
- monaka@garden_2025年3月20日読み終わったいい本読むと「っは〜」って湯気みたいな声が出る 分厚いナリに若干たじろいだけど一気に読み終えてしまった 理佐がいちばん好き 令和のベストおねえちゃん
- 夏しい子@natusiiko2025年3月6日かつて読んだネネの虜になりました。 助けられて、助けて血の繋がりがなくも親族のような繋がりで 支え合って暮らしている水舎小屋の周りの人たちが羨ましくなった。 ラジオを聴いて「ひーちゃん」と言うネネ 数年振りにあっても「けんじくん」と言うネネ にうるっときました。
- うみこ@umico52025年2月7日読み終わった序盤、今まで持ってた津村さんの印象と違いすぎて戸惑う。近くに住む人たちが、なんとなくふわっと助け合いながら、困ったときは誰かに助けを求めて良い距離感で寄りかかりあいながら生きていく姿がたくましく美しかった。「重そうに見えるけど、何人かで持つと全然重くなかった」りするんだよ、人生は。頼っていいし、助けてって言っていいし、余力があるときは手を差し伸べたっていい、そんなことをうちの子たちにも教えてあげたい。「母親という人々も人間なのだ、」は自分がなってみてつくづく思うよ。物語の章が変わると十年のときがたっているというのが良かった。ぐんとときは進み、その間に読み手の知らない時間があるというのが、なんか豊か、と思った。いつの間にか8歳だった律に歳抜かされてるし。「自分がその手助けができるんだってわかった時に、私なんかの助けは誰もいらないだろうって思うのをやめたんですよ。」読み終えて、こんな津村さんの物語も好きだと思った。うん、とても。こんな世界をつくるために生きていきたいと思える本は、灰谷健次郎の「天の瞳」以来初めてかもしれない。
- 紫嶋@09sjm2025年1月23日読み終わった借りてきたタイトルにある「ネネ」は、非常に賢いヨウム(鳥)。その賢さで時折人間をびっくりさせることもあるが、それでもやっぱり鳥は鳥なので、教えてもいない言葉を喋り出すとか、人間を苦難から救うような大きな奇跡を起こすようなことは出来ない。 だが、それでいい。物語の中の人々の、楽もあれば苦もある長い人生の傍に、ネネがヨウムらしくただ存在してくれることで、どこか感情や人間関係の緩衝材になってくれている…そんな印象を受けた。 ドラマティックで派手な展開は起こらないが、その分人々の日々の営みや、変わらぬ毎日を繰り返しているようで少しずつ変化していく様子を、ゆったり感じられる物語だった。
- たま子@tama_co_co2025年1月5日読み終わった年末から年始にかけて読むのにぴったりだったな。こんな世界だけど、まだまだ美しいものも優しいものもあるのだということ。読みながら『ちはやふる きみがため』の中で宮内先生が言った言葉をずっと思い出していた。 「子供はね なんの条件もつけずに世話してもらう経験をしなきゃだめ 人が優しくしてくれる そしてその人が自分から何も奪わない その経験が いつかどれほどだれかを憎むようになっても踏みとどまらせてくれるの 最後の最後まで人を信じられるの」ー『ちはやふる きみがため』
- はぐらうり@hagurauri-books2024年2月13日読み終わった本屋大賞ノミネート。かなり有力なのではないか、と読了当時思っていたが残念。 小説を読む、ということは人に対して思いを馳せることだな、と改めて。全5冊くらいのシリーズで読みたかったくらいだけれど、省かれている時期を想像するのも良いのかも。とても好きだった。
- ひろこ@hiloco2023年3月2日買った読み終わった感想@ 本の読める店fuzkue初台購入する時、ぶ厚くてナヌッとなるも、その足でフヅクエ初台に行き理佐と律がネネに出会うところまで読みすすめられたのが良かった。あとは渇いた喉で水を飲むように読む。他人のささやかな親切が人を育て、次の親切をうむ物語。 終盤はしんみりと読んでいたが婦人会が『愛をこめて花束を』に戸惑うくだりは声だして笑った。 読んでるとむしょうにうまい蕎麦が食べたくなる。