
益田
@msd
2025年8月18日

ナショナリズムと政治意識
中井遼
読んでる
2章メモ
・歴史的に見てナショナリズムを利用したのは右翼だけでなく、フェミニスト・社会主義者・アナーキスト・共和主義者・世俗主義者などの勢力も利用している→日本の戦後は右派以上に左派が"民族統一"などのワードを使用していた(軍国主義の打破し、社会的連帯をめざすために)
・ナショナリズムは、政府と人々の関係そのものについては多くを語らない。ナショナリズムが気にかけるのは、国家と人々の関係を議論する土台ともいえる人々の社会的なまとまり(共同体)が、どのような単位でどのような人々によって担われるべきかに関して何かを主張する→誰が所属できて誰が所属できないかを論ずる。
→ナショナリズムにはエスニック(民族的)な紐帯を基盤とする要素が避けがたい要素として含まれている。それが前面にでるか後退してるかは主義主張次第。
・ナショナリズムを構成する三要素、ナショナルプライド(誇り)とナショナル・アイデンティティ(帰属意識)とゼノフォビア(排外主義)があるが、その結び付きはさほど強くない。しかし社会がより開放的になるほど排他的な信念を持つ個人の中では、アイデンティティと排外性を強固に結びつける指摘がある。→「ナショナリズムを構成する諸要素の結びつきは複雑でニュアンスに富んでおり、簡単に「すべてのナショナリズムが排外性を帯びる」とも言い切れなければ、「自国を愛することと排外的になることは違う」とも言い切れないということである。」(p52)
・左右といっても(大雑把に)経済次元の左右もあれば社会文化次元の左右もある→自身の中にある左右の定義をしっかりしないと現実社会の議論で混乱のもとになる!
左派が平等という価値観を重視しているからといって右派が不平等に価値をおいている訳ではない→人々の才覚や能力・美徳などの自由に重きを置いているパターンもある
→いずれにしても伝統と平等が国際比較的には左右認識の中核である