読む時々読まない "暗い越流" 2025年8月18日

暗い越流
暗い越流
若竹七海
物語は淡々とした文体で進むが、その背後には常に不穏な気配が漂っている。特に、事件や人間模様の中に潜む「説明しきれない暗さ」が印象的だ。軽快なミステリというよりは、人物の過去や心情の重さにじっくり迫っていく作風であり、読む側の心にも重い影を落とす。それが「越流」という題名の持つ余韻と結びつき、静かな恐怖ややるせなさを増幅させているように感じる。
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