読書日和 "厨房から見たロシア" 2025年8月19日

読書日和
読書日和
@miou-books
2025年8月19日
厨房から見たロシア
厨房から見たロシア
ヴィトルト・シャブウォフスキ,
芝田文乃
図書館で長らく順番待ちしてようやく回ってきたー!分厚さに一瞬ひるむものの、読み始めたら期待通り面白くて。 著者がスターリンが「普通の人と同じものを食べていた」と聞かされ、本だろうか?と疑問を抱いたことから本書の着想を得たそう。全18章。前半はロシア最後の皇帝からレーニン、スターリンといった指導者とその料理人の話。後半は、ブレジネフ時代からプーチン時代までかかわったクレムリンの料理人、ベリャーエフの話まで約100年近い話を料理人本人だったり遺族へインタビュー形式で紹介。 権力者だけでなく、ソ連時代にスターリンが引き起こしたウクライナ大飢ききん(ホロドモール)の生き証人への聴取だったり、チェルノブイリ原発事故で駆り出された(厨房支援)女性たちの話。食べるものが何もなかった包囲下のレニングラードで生き残った女性、クリミアタタール人のお話も。 権力の中枢側(失脚した人も含め)と、そして権力によって犠牲になった人たちの両方の視点から書かれていて、旧ソ連の人々について「食」の視点で歴史が語られている。 なかでもアフガニスタンへの「平和的介入」とじて現地へ向かった女性が最後に語った言葉がしみる... 簡略化したレシピも載っていて、グルメの面も楽しめておススメ。ロシア料理だけでなく、ジョージア料理(本書ではグルジア)、中央アジアの料理も載っていて、思わず本棚に眠ってる 『ノスタルジア食堂 東欧旧社会主義国のレシピ63』も眺めち やったり(眺めるばかりでなかなか作ってないなあ。。)ちょっと辛い話を聞いても気持ちを切り替えて次の話が聞きたい!とどんどん読み進む本でした。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved