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@FELTz75
2025年8月19日

人間みたいに生きている
佐原ひかり
買った
読み終わった
佐原ひかりさん、読んだのは「鳥と港」に続いて2冊目。文庫を買いました。
佐原さんの描く、社会との折り合いがうまくいかない人の描写がたまらなく好みだなと。
この作品の場合は、折り合いがつかないどころの話ではないけれど。
主人公の視点だけでストーリーは進んでいっていたけど、どうしても泉さんに感情移入してしまう。
そうすると、この主人公にさえも理解してもらえないのか…、という絶望を感じずにいられない。
マイノリティはマイノリティ同士でも理解し合うのは難しい。誰も自分の特性は選べないんだから、カテゴライズせずともそれぞれの違いを受け止めようとしないといけない。
マジョリティとかマイノリティとか、病気があるとかないとか、そういう雑な解像度の見方は、生き苦しくなる人を増やすのだなと。
一つ壁を壊すと、壁だと思っていたものを勢いで次々と乗り越えていけてしまうあたりが、リアリティがあるなと思った。
「東京喰種」を読んでいたので、この突飛な設定にもすんなり入り込めたのかもしれない。
