
レイカ
@yukari125
2025年8月19日

読み終わった
駅のホームで、知り合いを見つけて手を振ったが、相手はこちらに気が付いていないようだ。視線があうようにじっと見つめながら近づいていくと、さきほど自分が手を振った相手は知り合いではなく、赤の他人だった。
私は、その人とすれ違い、歩き続けた。何事もなかったような顔をつくり、ホームの端のほうまで、ずんずん歩いた。
8月の日光を浴びたせいか、顔がいつも以上に火照っていた。
これは、私が最近経験した「ちょっと残念な私」のエピソードだ。
ささいな失敗や勘違い、恥ずかしい出来事、
「ちょっと残念な私」の経験は、大なり小なり、誰にでもあるものだろう。
小原晩さんのエッセイ集「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」には、
地方から東京へ上京した著者の「ちょっと残念な私」のエピソードがたくさん詰まっている。
「ちょっと残念な私」は、文書にして、他人(読者)に受け取ってもらうことで、成仏するのかもしれない。
酷暑の夏、気楽に手に取り、くすっと笑って、ほっこりしたい人にお勧めの1冊。

