
kei
@k3245
2025年8月20日

成瀬は天下を取りにいく
宮島未奈
読み終わった
宮島未奈著「成瀬は天下を取りにいく」読了。
2025/8 5冊目
◎サマリ
・期待しすぎると…
・巻末の森見登美彦の解説が秀逸
・自分らしく生きるとは
◎書評
2024年本屋大賞受賞作。
あまり期待値上げすぎると…という部分はあるが、成瀬あかりという強烈な主人公が自分らしく生き抜く姿に魂が震える。
①期待しすぎると…
映画『国宝』も正直個人的には微妙だった。
世間の評価が高すぎて変な期待を持ってしまっていたのだと思う。
本書に関しては、何か救いのようなものがあるのかと思った。
しかし、まるでそんなことはない。
私の当初期待とは程遠いものだったのは残念だったが、エンタメの作品の奥側にある示唆をするめのように楽しむことができる作品だと思う。
②巻末の森見登美彦の解説が秀逸
③自分らしく生きるとは
正直、成瀬あかりという主人公はあまり好きではない笑
だって、周りにいたら自分は必ずムカつくからだ。
周りの人と群れず目立つことばっかりして、いろんなことでそれなりの結果を出す。
何やってんだという冷たい目と少しの嫉妬心を浴びせてしまう自信しかない。
成瀬より同級生の大貫のほうが親近感が湧く。
大貫はいじめられるのが怖くてわざと目立たないことを選択する。
東大に行きたいと言えば目立ってしまう、学年でいい成績を取れば目立つので10位〜20位でいい。
ここまで極端なケースはなかなかいないまでも、なんとなく気持ちがわかるなと思う人は多いのではないかと思う。
そんな成瀬中心で進んでいくストーリーを最後まで読んだところで、ふーんと思ってしまうだけだった。
しかし、本当に巻末の森見登美彦の解説を読んで気づいたものが多かった。
この小説のメッセージは、自分らしく生きることの難しさなのだと思う。
成瀬のように自分の正しい、楽しいと思うことを貫こうとしても周りで後ろ指を立てる奴が必ずいる。(私みたいな奴が笑)
そんな奴らに負けずというか気にせず成瀬は自分らしさを貫く。
でもさすがにそんな成瀬でも自分なりの視点で悩んだりもする。
そんな悩みを乗り越えて自分らしく生き続けようとする成瀬の姿から学ばなければならないことがたくさんあるのだと思う。
自分ももっと自分らしく、自分の人生を他人任せにせずしっかりコントロールしていこうと感じた。


