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@k3245
とあるコンサルタントのつぶやき。
  • 2025年8月22日
    教養としての大学受験国語 (ちくま新書 253)
    三宅香帆さんおすすめ
  • 2025年8月20日
    成瀬は天下を取りにいく
    宮島未奈著「成瀬は天下を取りにいく」読了。 2025/8 5冊目 ◎サマリ ・期待しすぎると… ・巻末の森見登美彦の解説が秀逸 ・自分らしく生きるとは ◎書評 2024年本屋大賞受賞作。 あまり期待値上げすぎると…という部分はあるが、成瀬あかりという強烈な主人公が自分らしく生き抜く姿に魂が震える。 ①期待しすぎると… 映画『国宝』も正直個人的には微妙だった。 世間の評価が高すぎて変な期待を持ってしまっていたのだと思う。 本書に関しては、何か救いのようなものがあるのかと思った。 しかし、まるでそんなことはない。 私の当初期待とは程遠いものだったのは残念だったが、エンタメの作品の奥側にある示唆をするめのように楽しむことができる作品だと思う。 ②巻末の森見登美彦の解説が秀逸 ③自分らしく生きるとは 正直、成瀬あかりという主人公はあまり好きではない笑 だって、周りにいたら自分は必ずムカつくからだ。 周りの人と群れず目立つことばっかりして、いろんなことでそれなりの結果を出す。 何やってんだという冷たい目と少しの嫉妬心を浴びせてしまう自信しかない。 成瀬より同級生の大貫のほうが親近感が湧く。 大貫はいじめられるのが怖くてわざと目立たないことを選択する。 東大に行きたいと言えば目立ってしまう、学年でいい成績を取れば目立つので10位〜20位でいい。 ここまで極端なケースはなかなかいないまでも、なんとなく気持ちがわかるなと思う人は多いのではないかと思う。 そんな成瀬中心で進んでいくストーリーを最後まで読んだところで、ふーんと思ってしまうだけだった。 しかし、本当に巻末の森見登美彦の解説を読んで気づいたものが多かった。 この小説のメッセージは、自分らしく生きることの難しさなのだと思う。 成瀬のように自分の正しい、楽しいと思うことを貫こうとしても周りで後ろ指を立てる奴が必ずいる。(私みたいな奴が笑) そんな奴らに負けずというか気にせず成瀬は自分らしさを貫く。 でもさすがにそんな成瀬でも自分なりの視点で悩んだりもする。 そんな悩みを乗り越えて自分らしく生き続けようとする成瀬の姿から学ばなければならないことがたくさんあるのだと思う。 自分ももっと自分らしく、自分の人生を他人任せにせずしっかりコントロールしていこうと感じた。
  • 2025年8月17日
    人生の経営戦略
    山口周著「人生の経営戦略」読了。 2025/8 4冊目 ◎サマリ ・人生を春夏秋冬で考えてみる ・いろんなものの掛け合わせで自分らしさを築く ・頑張るは楽しいに勝てない ◎書評 毎度多くの示唆を提供してくれる山口さんの著作。 今回もハッとさせられる観点がたくさんあった。 人生を幸せで豊かなものにするためには必ず長期視点が必要だということ、そしてそれは戦略的に構築していけるというのが本書のメッセージ。 ①人生を春夏秋冬で考える 20代までは人生の春→多様な価値観を取り入れるべき時期 30代〜40代は人生の夏→人生で一番輝く時、20代で得た多様な価値観の中から自分がこれだと思うものに時間をかける 50代〜60代は人生の秋→夏に築いたものをどんどん拡げる 70代〜は人生の冬→これまで培ってきたものを人に教えてる、人と人とをつなぐ じゃあ自分は今どこにいるか。もう30代になってしまったが、まだ人生の春の延長戦をやるのもいいのかなと気づいた。 しかし、やるなるならやるで早めにならないと夏が短くなるわけで… このあたりをどういったバランスでやるべきかすごく考えるきっかけになった ②いろんなものの掛け合わせで自分らしさを築く 有名なブルーオーシャン戦略にも触れられているが、それは自分の過去を振り返ってユニークな組み合わせで作るべきとの示唆があった。 自分も転職何回も重ねてジョブホッパーと言われようが、それはそれで個性。 いろんなものの掛け合わせがしやすくなるので、何か良い視点が生まれるのではないかとずっと思っていた。 それをうまく山口さんが言語化してくれていてすごくすっきりした。 改めて自分の経験の掛け合わせをやってみたい。 ③頑張るは楽しいに勝てない これがほんと一番身に沁みた。 今の仕事に対してつらさしか感じていない自分はかち殴られたような感じがした。 楽しく長くやる。それが最高の戦略だと。 しかし、コンフォートゾーンに収まり続けてもいけない。長くても10年でステージを変えていく。 でも楽しくなること。それが一番。 もっとたくさん打席に立って自分の楽しいをもっと真剣に見出さなくてはならないのだと思う。 なんならこうやって本の感想を書いているのが一番楽しいかもしれない。 これもまた気づきだ。
  • 2025年8月16日
    「暮し」のファシズム
    三宅香帆さんおすすめ
  • 2025年8月15日
    街とその不確かな壁(下)
    村上春樹著「街とその不確かな壁」読了。 2025/8 3冊目 ◎サマリ ・村上春樹がずっと向き合ってきたもの ・何が自分で、何が影か ・苦しい経験も時間が解決してくれるもの ◎書評 スカートを履きベレー帽を被る元図書館館長の幽霊、イエローサブマリンのパーカーを着る少年、コーヒーショップの女性。 相変わらず村上春樹の作品に登場する人物たちは魅力的すぎる。 中でもイエローサブマリンの少年がこの小説におけるキーマンだったと思う。 ①村上春樹がずっと向き合ってきたもの 結局、村上春樹になぜ我々が魅了されるのか。 それは現代人がなんとなく抱える「孤独」を描きだしているからだと改めて感じた。 主人公のセリフ 「孤独が好きな人なんていないよ。たぶんどこにも」 これが村上春樹の本音なのだろう。 でも人々は意図せず孤独を味わうことになる。そんなことは求めていないはずなのになぜかひとりに。 個が強調される現代、孤独になるシーンはどんどん増えていると思う。 そんな「孤独」を言語化し、絶対に自分に寄り添ってくれる人がいるという希望を見せてくれる村上春樹作品は心から現代人が求める小説なのだと思う。 ②何が自分で、何が影か 今回の小説には壁に囲まれた不思議な街が登場する。 その街に入るには影を差し出さなければならない。 今の自分は何者なのか、もしかしたら自分の影が勝手に自分に成り変わっているのではないだろうか。 そんな不安さえ感じる。 たまに心にもないことを言ってしまうことが人間誰しもあると思う。これが本当の自分なのか…唖然とすることもあるだろう。 つまり、自分も気づいていない影のような存在をみんな自分の中に飼っている。 それは恐ろしいことかもしれないが、それも受け入れて一体になることで見えてくるものがあるということを村上春樹は伝えたかったのではないかと思う。 ③苦しい経験も時間が解決してくれるもの この物語の主人公は高校時代の淡い恋愛にずっと縛られている。 他の経験で上書きすることができないほど恋。 「いったん混じりけのない純粋な愛を味わったものは、言うならば、心の一部が熱く照射されてしまうのです。」 しかし、照射され脆くなったものはそのままなのだろうか。 そんなことはないというのが村上春樹の回答だと思う。 やはりこうした経験は時間が解決してくれる。逆に言えば時間しか解決してくれないのだと思う。 今回は珍しく村上春樹のあとがきがついている。 最後の真実のありかについての記載が本当に心に響いた。 71歳の村上春樹が書き上げた小説。71歳の彼だからこそ語れることがある。 時間は残酷であり美しい。
  • 2025年8月14日
    すべての、白いものたちの
    すべての、白いものたちの
    ハン・ガン著「すべての、白いものたちの」読了。 2025/8 2冊目 ◎サマリ ・うーん…わからん。 ・言語の問題なのか、自分が男だからなのか ◎書評 ノーベル賞作家の作品。 うーん、わからん以上の感想が出てこない… 小説というより詩集のようでとても困惑した。 赤子がどうこうというシーンが一番のメインだと思うが、そこからのストーリー展開がうーん。 Readsの感想読むと解説読むと、「もう一回読み直そうと思った」というものが多いが、解説読まないと分からないような世界観ではそもそもダメなのではないかと個人的には感じてしまう。 ワルシャワはとても大好きな街だけに期待して読んだが、あの独特な空気をまったく感じることができないのも残念。 作者はワルシャワにも住んでいたようだが、もっと写実的な表現が多いのかと思ったらうーん。 うーん、ばかりで申し訳ないが、自分には合いませんでした。 というより、期待していたものとまったく違いました…
  • 2025年8月11日
    街とその不確かな壁(上)
    村上春樹著「街とその不確かな壁」読了。 2025/8 1冊目 ◎サマリ ・どこかで読んだことあるな…あー「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」か ・いまだに魅了される村上春樹の描く死を薄めた世界観 ・過去に縛られる現代人の孤独に向きあう ◎書評 村上春樹好きとしては読まねばと思い、文庫化したタイミングで購入。 しばらく積読してしまっていたが、この3連休で一気に読んだ。 相変わらず村上春樹臭がプンプンの作品だ。笑 最初は壁に囲まれた不思議な街の図書館で「夢を読む」仕事をする男と文通相手の少女との恋に落ちる高校生のストーリーが入り混じる。 もう70過ぎてもこんな瑞々しい高校生の恋を描く村上春樹ってすごいなと思う一方で、こういうのがダメで村上春樹作品批判してる人も多いんだろうなと改めて感じた。 それになんかどっかでこの展開見たなあと思っていて、ちらっとネットの情報を見てみると、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の関連作とのこと。 このタイミングで過去作との関連作出すんだと驚いたのと同時に、なんかこれでいいの?とも個人的には思ってしまった。 でもなんだかんだ村上春樹好きとしてはたまらなくて… 急に自分の影と街を飛び出そうとしたりとか自分の大好きな女の子が急にいなくなったりとか、村上作品に共通する死を極限まで薄めて飲むような心を締めつけられる感を味わえる。 そして、後半は1人の中年男が急に仕事を辞めて図書館で働き始めるストーリー。 ここでも現代人の孤独に寄り添う村上作品の魅力が詰まっている。 情報化社会でありだれとでも簡単に繋がれる一方で、どこか心の奥底にみんな闇を抱えていて、ふとすると孤独に苛まれる。 そんな孤独をここぞというばかりに一気に作品に詰め込み、現代人に寄り添おうとする村上春樹はやはりすごい。 とても後編も気になる作品だ。
  • 2025年8月8日
    道元入門
    道元入門
    角田泰隆著「道元入門」読了。 2025/8 1冊目 ◎サマリ ・悟りを開こうとすることのおこがましさ ・ただ座れ ・現代のマインドフルネスへの疑問 ・800年前から唱えられている相手の心を傷つけない優しさ ◎書評 仏教に興味を持ち、故郷の福井県にある総本山・永平寺の祖である道元禅師をもっと知りたいと思い手に取った本。 読んで正解だった。 一番面白かったのは流行っているマイルドフルネスへの疑念だ。 無心を目指せとよく言われるが、道元禅師のいう坐禅はそんなことを意図していない。 無心=無念無想のことだが、これは生命活動を放棄することに等しいと。 自然であるべきだと説いている。 そして、そもそも坐禅した結果、何かを得られると思うこと自体が間違えだとも弟子を諭していた。 無所得の気持ちでただ座れ。只管打坐(しかんたざ)の考えが本当に目から鱗だった。 最後には現代と道元禅師についても触れられている。 ビジネスの場面だと誰かに注意をしなければならないこともあるだろう。 そんな時にも絶対相手を傷つけてはいけない。そう道元禅師は著作の中で語っている。 つい多くの人の前で後輩を叱っていないだろうか、相手がどんな気持ちになっているかちゃんと考えられているだろうか。 坐禅を組まなくてもいい。日々の生活の中常に修行なのだ。 現代社会を生きる上で、道元禅師の考えが転ばぬ先の杖になることを身に染みて感じた。
  • 2025年7月30日
    ざっくり分かるファイナンス
    石野雄一著「ざっくり分かるファイナンス: 経営センスを磨くための財務」読了。 2025/7 5冊目 ◎サマリ ・何度も読みたくなるファイナンス入門書 ・会計は過去、ファイナンスは現在・未来 ・ファイナンスを知らない経営者 ・借金は必ずしも悪いことではない ◎書評 山口周さんがファイナンス知識のコアとなるものが全て詰まっていると絶賛していた本。 優しい問いかけが多く、超初心者向けに書かれたファイナンスの入門書。 しかし、これでも難しい笑笑 何度も繰り返し読むべき教科書的な存在だと思う。 中でも印象的だったのは、会計は過去、ファイナンスは現在・未来を見るもの。会計にばかり意識をとられているが、実際に大切なのはファイナンスだという考え方。 こんなことを言っちゃう経営者はファイナンス知識がない証拠という話もいくつか出てきて、こういうこと言ってる人まじでいそうだなあと納得のいくものがあった。 借金(有利子負債)には減税効果があるので、ある一定ラインまでの借金は企業価値を高めるというのは面白いと思った。 こんな視点がこれまで不足していた。 でも、あまりにも借金が膨らむと次は格付けが下がってリスクある会社としてみられちゃうよという相関関係までわかりやすい。 何度も読んで内容のすべてを頭に叩き込みたい。
  • 2025年7月27日
    愛するということ
    愛するということ
    エーリッヒ・フロム著「愛するということ」読了。 2025/7 4冊目 ◎サマリ ・愛は技術である ・愛するとことと愛されることは表裏一体 ・母性愛と父性愛、そして神への愛にまで言及 ・規律と集中、忍耐。そして、自分を「信じる」ことが愛するためには必要 ・愛することが難しくなっている資本主義社会への問いかけ ◎書評 高校生の時、合唱コンクールで「信じる」という曲を初めて知った。 谷川俊太郎さんが書いた歌詞の美しさがとても印象的だった。 「葉末(はずえ)の露(つゆ)がきらめく朝に何を見つめる小鹿のひとみ すべてのものが日々新しい そんな世界を私は信じる 信じることは生きるみなもと」 何度眺めているだけでも美しさを感じる文章だ。 しかし、「信じる」という詩全体は少々理解が難しい。 「地雷をふんで足をなくした子どもの写真 目をそらさずに」 このフレーズがなぜ急に登場するのか。 高校生の時は理解ができなかった。 しかし、このフロムの「愛するということ」を読んですべて理解できた。 フロムは愛することは技術だという。この本は恋愛指南書ではない。 なぜフロムが愛することは技術という考えに至ったか、深い考察がされている。 愛を考える時の核となっているのが母性愛と父性愛。 すべてを受け入れる母性愛と権威的な父性愛。このバランスがとても重要であるということ。 そして、神への愛へと理論は発展していく。 資本主義社会では、市場における等価交換が原則となっている。 愛も「自分がここまで愛したんだから、お前も俺のことをここまで愛せよ」といったふうになる。 しかし、自分をもっと信じ、まずは自分を集中して忍耐強く愛すればそういう考えには至らないだろうというのがフロムの主張だ。 すべてのものを客観視しナルシシズムから脱却してこの世のものすべてを信じ愛すること、その大切さを谷川俊太郎さんは詩に込めていたのだろうと思う。 こんなの現代社会では難しいでしょ… フロムももちろんそのことは分かっている。難しいとわかりつつ挑戦することで、世界が少しでもいい方向を向き始めるのではないか。 自分も少しでも自分と他人を愛する努力をしてみたい。
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