
doji
@doji_asgp
2025年8月21日

ダロウェイ夫人
ヴァージニア・ウルフ,
土屋政雄
読み終わった
セプチマスの自死の細かい描写が印象的で、飛び降りる瞬間ですら、人はできれば生きたいと願うのだなと、映像的な記憶として刻まれてしまった。ダロウェイ夫人が自他の境界を飛び越えてセプチマスと同一視してしまうことは、溶け合うように意識が流れていく文体でも示されている。あまりにその流れが自然すぎて、気づけば違う登場人物のあたまのなかにいるような、そんな不思議な気持ちになった。それゆえの難解さはやっぱりあったので、一度ではなかなか味わいきれない手強さもある。


