ダロウェイ夫人

8件の記録
- doji@doji_asgp2025年8月21日読み終わったセプチマスの自死の細かい描写が印象的で、飛び降りる瞬間ですら、人はできれば生きたいと願うのだなと、映像的な記憶として刻まれてしまった。ダロウェイ夫人が自他の境界を飛び越えてセプチマスと同一視してしまうことは、溶け合うように意識が流れていく文体でも示されている。あまりにその流れが自然すぎて、気づけば違う登場人物のあたまのなかにいるような、そんな不思議な気持ちになった。それゆえの難解さはやっぱりあったので、一度ではなかなか味わいきれない手強さもある。
- 柿内正午@kakisiesta2025年6月13日じゅうぶん読んだ嫌い必要があって『ダロウェイ夫人』を何度も読み返しているのだけれど、集英社の丹治愛訳と原文とを読み較べ、この光文社文庫版の翻訳ははっきりと大嫌いだと確信が深まる。均衡を信奉し、人々を抑圧するサー・ウィリアム・ブラドショーのような訳業だと思う。