読書日和 "星になっても" 2025年8月21日

読書日和
読書日和
@miou-books
2025年8月21日
星になっても
星になっても
岩内章太郎
哲学者の著者が、父の死をきっかけに書き綴った、喪失と回復の道のりを優しくたどるエッセイ。 10円玉をひつぎに入れて火葬する北海道の風習、「どうして人は死んじゃうんだろう」と言う3歳の息子、まだ小学生だった著者に大通公園でとうきびの粒に群がるハトを見て「あの鳩(はと)を幸せだと思うか」と聞く父―。父の死の直後からの出来事や生前のエピソードが具体的に描かれる。 人の死は誰にとっても避けられないことだけれど、どう受け止めて、どう回復していくのか。生きていく側にとっての大きなテーマだなと感じた。 通勤電車で読んでいて、何度か涙ぐんで焦りました…。 私自身はまだ両親が健在だけど、最近少しずつ老いを感じることも増えてきて、この本を読んで色々考えさせられた。 離れて暮らす中で、どれくらい会えるんだろうとか、どうやって自分の生活と両立させていくのかとか。 中でも特に心に残っているのは、まだお父様が元気だった頃、東京に出張で来た際に著者と弟にご飯を奢ってくれたという話。 さりげないけれど、子供の成長を誇りに思っていること、嬉しく感じている親目線があったかくて、忘れられないエピソードでした。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved