
ゆかこ
@crosscounter_ubk
2025年8月21日

団地のふたり
藤野千夜
読み終わった
図書館本
50歳女性2人の、古い団地での毎日。
特に大きな事件が起きたり、どんでん返しも無いが、全体を通してなんとも穏やかな空気がながれていて落ち着く。
50代、シングル女性、団地で一人暮らしという字面だけみたら、世間からはもしかしたらかわいそうとか、いい歳なのにとか、思われるのだろうか。
でも、なっちゃんもノエチも、なんだかんだありながら幸せそうに見える。
建て替えられるかも知れない団地の一角で、恐らく人生色々ありながらも、お互いに戻れる場所がある安心感。歳を重ねたって気心知れた友の前では口悪くなっちゃうし、喧嘩だってするんだよな。
何があってもこの人は私を裏切らないという信頼がそこにあるんだと思う。
だからなっちゃんは多めの野菜定期便を頼むし、明日になったら喧嘩なんか忘れてノエチがやってくると自然に思えるのだ。
幸運にも自分自身にもそんな友人がいる。その子のことを自然に思い出せたことがなんだか嬉しい。

