犬山俊之 "胃が合うふたり" 2025年8月21日

胃が合うふたり
胃が合うふたり
千早茜,
新井見枝香
驚きの一冊。 文庫で(安いし)、食べ物エッセイ(とっつきやすい内容だろう)という情報だけで、日本語の学習材候補として手にとりました。 ところが、ページをめくると最初から「おっ、するどい」と感じ、第二章まで来ると「おぬし、できるな」と思わされ、あとは一気に最後まで。世の中にはすごい書き手がいますね。 内容は、食べ物についての話ももちろんあるのですが、それよりも著者二人の「関係」のめんどくささが読みどころ。人と人の「関係」って何なんだろうと。思いがけず深いところまで連れて行ってもらいました。 残念ながら第二言語話者の学習材向きではありませんでした(難しすぎる)が、個人的には大当たり。この二人の著者の他の作品も読んでみたいです▼ …この本の内容はすばらしいのに、これ新潮社なのですね。せっかくおすすめしたいのに、他にもいい本を出しているのに、なぜ今、差別を扇動するような本を出すのか。信じられない。
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