
サヤ
@sayaemon
2025年8月22日

ムーミン谷の彗星
トーベ・ヤンソン,
Tove Jansson,
下村隆一
読み終わった
ムーミンシリーズ再読2冊目
なかなかシビアな世界観&ハラハラする冒険が続くけれど、これが実質第2作目で、この後にあの豊かで大らかなムーミン生活が繰り広げられるのだと知って納得(スナフキンやスノーク、アニメのフローレンと初めて出会うのも今作)
そもそも、自然の荒々しさを正しく恐れ、賢く立ち回ることというのもムーミン作品の魅力のひとつなのだけど、さすがに『彗星の大接近』ともなると、あまりにも天災のスケールが大きすぎ、冗談じゃなく作品全体に滅亡の気配が漂っている
海は干上がり、浜は腐り、草は焼け、森は蝗に食い尽くされる
それでもムーミンは恋をし、スナフキンはハーモニカを吹き、スニフは子猫を思い、ムーミンママは息子のためにケーキを焼く
そうしたありのままの過ごし方を読んでいるうちに、なんだかこちらが励まされているような気がしてくる
恐ろしい目に合っても、各々の生き方を当たり前に貫き、他人のそれも許す
そんな勇気ある頑なさに心打たれた一冊





