ムーミン谷の彗星

ムーミン谷の彗星
ムーミン谷の彗星
トーベ・ヤンソン
Tove Jansson
下村隆一
講談社
1978年10月1日
1件の記録
  • サヤ
    サヤ
    @sayaemon
    2025年8月22日
    ムーミンシリーズ再読2冊目 なかなかシビアな世界観&ハラハラする冒険が続くけれど、これが実質第2作目で、この後にあの豊かで大らかなムーミン生活が繰り広げられるのだと知って納得(スナフキンやスノーク、アニメのフローレンと初めて出会うのも今作) そもそも、自然の荒々しさを正しく恐れ、賢く立ち回ることというのもムーミン作品の魅力のひとつなのだけど、さすがに『彗星の大接近』ともなると、あまりにも天災のスケールが大きすぎ、冗談じゃなく作品全体に滅亡の気配が漂っている 海は干上がり、浜は腐り、草は焼け、森は蝗に食い尽くされる それでもムーミンは恋をし、スナフキンはハーモニカを吹き、スニフは子猫を思い、ムーミンママは息子のためにケーキを焼く そうしたありのままの過ごし方を読んでいるうちに、なんだかこちらが励まされているような気がしてくる 恐ろしい目に合っても、各々の生き方を当たり前に貫き、他人のそれも許す そんな勇気ある頑なさに心打たれた一冊
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