
fuyunowaqs
@paajiiym
2025年8月23日

きつね
ドゥブラヴカ・ウグレシッチ,
奥彩子
読んでる
WomenInTranslation
第三部も語り手中心の述懐。偶然の出会いと別れが早回しのように語られるが、日常のあちこちに戦争の爪痕と面影が残っている。きつねも出てくる。"侵入者"によれば、エジプトでは地雷原のことを「悪魔の庭」と呼ぶらしい。村でも集落でもない、"地図上の染みのような"場所の話。星と地雷だけの場所。
第四部は第一部に似た印象で、個人的には楽しめなかったので読み流した。戦争や革命に翻弄されたロシア・アヴァンギャルドのオベリウ派の特定人物に執着する女性作家、を追いかける語り手による物語。記憶に残ったのはスプリンクラーのたとえ。また、モーツァルトに対するサリエリは、むしろモーツァルトよりも便利なアイコンだと感じた。ここでもやはりきつねについて言及される。

