さくら🌸 "リボンちゃん" 2025年8月24日

リボンちゃん
リボンちゃん
寺地はるな
「流行っていようがいまいがわたしは頭にリボンをつけると決めているし、ババアになってもこれで行くつもりだよ、誰がなんと言おうとね」(p.10) リボンちゃんはつよくて凛としている人だけど完璧ではなく、ある人物を知らずのうちに傷つける立ち振る舞いをしてしまうところが都合よくなくて良かった。それでも、それを許されたような気になって忘れてはいけないと自分の戒めにしようとするところが彼女の魅力だと思う。全くの善人も悪人も出てこないところが寺地作品の好きなところ。 . 「一口にブラジャーといったって、一枚一枚まったく違う。この中からたった一枚見つけ出すのが、どれほど骨の折れることか。いかがわしさの出る幕じゃない。」(p.117) 下着(主にブラジャー)に対する「いかがわしい」というイメージ、ブラを身につけない男性が勝手に性的なものとしてそれを見てるということが浮き彫りになってて本当にモヤモヤしてた。誰もが性的魅力のためにつけてると思っていてほしくなかったので、説教くさくなく、所々でそっとそういう一文があることに救われた。 . 『水を縫う』『雫』にもあったけど、手作業の描写にワクワクする。人生が変わるわけじゃないけど、体に合った下着を見つけると自然と姿勢が変わって、似合う服も変わって、行動が変わって、と繋がっていく、そういう意味で私にとって下着のような役割になる本だった。
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