
千草
@chigusa2330
2025年8月24日

天才望遠鏡
額賀澪
読み終わった
感想
最後の話の「星原の観測者」を読み終わった
売れっ子作家だか社会性がない釘宮志津馬と大ヒットするわけでも大赤字を出すわけでもなく真面目に作家を続けていた星原イチタカ。星原が急死し、釘宮は何を思うのか。
このお話は世間で天才と呼ばれる人が特に誰にも注目されない一人を見てきた話だった。
天才と言われると何でも持っていて同じ人間じゃないような気がしてしまうけど、そんなことはなくて、自分にないものを持つ者を羨ましく思うのかもしれないと思う。
釘宮は出版社に都合よく使われていると分かっていながら作家として楽しく仕事をしていた星原を少し羨ましく思っていたのかなと思った。社会性がない自分にも優しくて、作家として人気が出た自分にも説教をしてくれて、作家になって15年ずっと側で見ていてくれた友人を尊敬していて、大切で、眩しかったのだと釘宮のセリフを見ながら思う。星原もそれは同じで、人気のある釘宮を疎ましくも羨ましくも思っていたけど、1番に尊敬していて大切だったと思う。そういう友人関係が読んでいて羨ましいなと思った。
それから、星原をずっと見ていた釘宮の才能について語った言葉がグッときた。たくさんの人が見ていなくても、自分にしかない才能を見ていてくれる人がきっといると思うと、頑張ろうと思える。自分に自信がなくなったときに読みたい言葉だと思った。


