
古野楓
@FurunoKaede_reads
2025年8月24日

あやうく一生懸命生きるところだった
ハ・ワン,
岡崎暢子
読み終わった
共感できるところと、ピンとこないところ。
人生について色々と考え、諦めたり達観したりするのは、悩まざるを得ない環境に陥った人がすることのように思う。
いわゆる「レール」に乗ったままでいられたら、人生について考える必要なんてないから。
そこから外れたから人生について考えざるを得なくて、何かしらの自分なりの答えを出すしかない。(私のように。)
筆者については、もし家庭が裕福だったら済んだ話なんじゃないかと思ってしまった。
ホンデ美大時代に、学費を稼ぐためにバイトに励んだ結果、大学を休んだり最低限の単位で埋めることになって、大学での人脈が上手く作れなかったというのが特に。
学費を稼ぐ必要のない家庭だったら、美大での学生生活に集中できて、人脈も作れて、スキルや就職も違っていたかもしれない。
それ以前に、父親がアル中で暴れるような人じゃなかったら芸術に助けを求める必要もなかっただろうし、金銭面も違っていただろうし。
だから家庭環境で人生のほとんどは決まってくるんじゃないかと思ってしまう。
特に韓国の学歴社会を始めとした社会問題が根にあるのではないかと思う。
勤めていた会社の倒産を経験して、自分で人生のコントロールをすることはできない、大きな流れで押し流されることもある、と考えたところは興味深かった。
「人生のすべてをコントロールしようと考えてはいけない。だって、そもそも不可能なのだから」p.13
「すべてが自分の選択に委ねられると考えるのは実に傲慢だ」p.12
この本も10年後に読んだら今と違う考えを持つんだろうなぁという気がする。
