よろこびイサンディ "共生の思考法" 2025年8月24日

共生の思考法
共生の思考法
塩原良和
邪気の有無に拘らず、マジョリティであったと仮定した場合の我々が、等しく行動に移しているマイノリティに対する振舞いの裏の裏まで詳らかにしている部分が、本書の真骨頂だと言っていい。 読みさしのときにも言及したけれど、僕も多くの状況下でマイノリティに属すると自負している。 その僕でさえ、マジョリティの無邪気な対応の深層が陽の元に晒される部分は、正視し難い気分すらあった。 ただ、末尾へと進むにつれ、その快刀は鳴りをひそめ、私見では凡庸なる結論へと着地したのではないかと思う。 脈拍が躍動するような、その快刀乱麻を目撃するだけでも、本書は一読の価値がある。 極右政党の躍進する参院選を経験した我々という視座からも、本書は読まれたい一冊だと言える。
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