
しをに
@remnkkswn60306
2025年8月19日

儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)
米澤穂信
読み終わった
読了。3本目まで読んだ時点で、全て妙に空気感が似てる話だな…と思うと同時に、最後に並ぶ表題作がである「祝宴」が何を示しているのかほんのり予感が生まれ、それにより、すべて違う話であるはずなのに横に連なる同じ空気、同じ地面に立つ物語である必要性の説得力が増し、結果として辿り着いた祝宴の末路のなんとまぁ、いっそ美しいこと。
相性の問題でもあるのかもしれないけど、一文一文の、かっこつきの私に向けた感情誘導の無駄のなさ。本当に無駄がない。雑音がない。この触感の正体を知りたいので、次は音読で読み通してみるのも良いかもしれない。このテーマゆえにこの空気この味だったというなら、他の作品も読み比べてみた方がいいのかも。面白いとか上手いとかとは別の軸で、私自身との需要供給がびたっとハマってぎょっとするような体験でした。
ごちゃごちゃ書いたけど、要するにものすごく良かったということです……いやー良かった……。

