ゆき "ネット右翼になった父" 2025年8月25日

ゆき
ゆき
@yuki1024
2025年8月25日
ネット右翼になった父
父〜祖父世代の男性に対して、差別的な言動に怒りが湧くことがしばしばある。 なぜ考えを改められないのか?と日々思いつつ、関わりが薄く嫌悪の対象になりがちな「おじさん」の背景について思いを馳せることはしてこなかった。 時代背景、社会の変容など、この本で著者が父親の軌跡を辿る際に書かれていた記述を見ると、なぜ(大きく括って)昭和世代の方々がああいった振る舞いをしてしまうのかに合点がいった。 日々アップデートされていく社会に、今までの当たり前を捨てろと言われても、年老いて脳機能も低下していて体力も気力も落ちている中、そんな簡単に適応できるわけがない。 人を傷付けたり差別したりするのはもちろんいけないことで、価値観が刷新されていくのはとても良いことではあるけれど、正しさをその個人の背景を考えずに押し付けるのは残酷なことである、という事実にハッとさせられた。 「ネット右翼」の人々のような、分断を煽る心、価値観を定食メニューのように括ってこき下ろすさまは唾棄すべきものだと思っていたけれど、そうやって「ネット右翼」や「おじさん」と括って軽蔑している私のこころの中にも、全く同じ醜さが宿っている。 そのことに気付かせてくれる本だった。
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