本ノ虫和歌 "海のふた" 2025年8月25日

海のふた
海のふた
よしもとばなな
「私たちがばかなのかなあ?」 「ばかでもいいよ、でもばかなりに、あたりまえに、静かに暮らしたいね……。」 自分を保ち続けることは、自分を変えるのと同じくらい難しいことなのかもしれない。 夢や大切なもの、大事にしたいことがあっても、何かの拍子に気持ちが揺らいでしまうことがある。 故郷に戻り一人かき氷屋を始めた「私」もまた、これが正解なのかと幾度も揺らいでしまう。 「解決ってほんとうに面白くて、ちょうど『これはもうだめかも』と思った頃に必ず訪れる。『絶対になんとかなるだろう』と思うことをやめず、工夫し続ければ、なんだか全然別のところからふと、ばかみたいな形でやってくるものみたいだ。」 それでも諦めずに追い求め続け、自由と自分らしさを保てる道を見つけていく。 持つことではない、持たないことでの幸せさを教えられた。
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